建築意匠のデザインと
  架構材の規矩術

日本人は自然を愛で、木の文化を継承し、木と共に暮すことを最適とした民族です。
その土地の気候風土で育った材は、環境や経年による変化に差がなく狂いがないのが良材です。山で切り出された
木材が家の柱や梁になる樹齢を思い、架構技術にこだわりました。時を経て風景に溶け込む美観を備えた家づくり
には、自然環境が多様な地域で育った材を使うことが大切です。


自然の素材は反りや曲がりが必ずありますが、それは力強い生命力の証でもあるのです。
たとえ、曲がった木であっても、どう美しく生かすかということ熟考して墨付けをはじめます。木の癖を知り、その木を最大限に
生かし加工することが棟梁の美意識なのです。真壁構造の木肌の美しさを、親子三代100年は楽しむことができるように
リビングに組み込みました。木の香りの癒しの中で過ごす至福の時間は、何ものにもかえがたい宝物です。



 



上端(うわば)(むく)りのあるマツ材を交差させた横架材は杉で納めました。
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丸梁は強度を保つため地マツ材(長さは4m、末口8寸5分)を用いました。結合部にはほぞ継ぎに込み栓で仕上げています。
※マツ材の丸太は強度があるため、曲がりなどのクセが強く梁間の大きな時は直角方向に「つなぎ梁」を入れることもあります。


丸梁は地場の杉材を交差させ横架材は赤色の強い杉で納めました。赤色の杉は腐り難くシロアリにも強く温かみがあります。
横架材は美しさだけではなく、その構造美には安全性も考慮されているのです。
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