強い陽の光や暴風雨など激しい気候に負けず、美しい白い壁は、見た目だけではなく町並み景観を維持しながら生活環境に溶け込んできました。最近、壁材や室内へ漆喰を希望する施主様が増えてきています。もともと、漆喰は風雨や強い陽の光を防ぐ工法として蔵や家屋に用いられてきましたが、最大の特徴は原料の消石灰に“糊”を使わないことです。漆喰自体が呼吸しているので、湿度調節機能を持ち室内を快適温度に保つ作用もあるため、再び見直されてきた自然素材です。


  鎧壁仕上げの外壁です。壁仕上げの面を平面ではなく、何段もの長押挽きの断面にして水切りをよくしました。
  雨量が多く、陽射しのきつい土佐ならではの生活様式に根付いています。(藁スサを入れて防水性を高めています)
  上の写真をを比べてください。漆喰の色が微妙に違うことがお分かりでしょうか。一階玄関丈夫の壁は淡黄色、
  二階壁は白色です。一先に漆喰を塗った二階部分と一階では、既に色が違ってきています。


 土佐漆喰鎧仕上げの下地作業です。左官職人が手に木棒を持って直線を確かめながら作業をしています。
 木棒で長押挽きをつくり、段を付けていきます。
 塗ったばかりの時は、藁スサからの色が染みて淡黄色ですが、まだ、真っ白ではありません。
 乾いて陽に晒されると白色になりますが、真っ白になるには、一年から二年ほどかかります。


 <土佐漆喰の作業工程>
 土佐漆喰は糊を使わず、藁スサを混ぜて水で練ったものを何ヶ月も寝かせてから使います。
 自然の通気がある窯で、塩をかけて低温(1,000℃)で3〜4日かけてゆっくり焼いていくことで生石灰ができ、
 これに水をかけて消石灰にします。
 出来上がった消石灰に数センチに切った藁スサを混ぜ40日〜60日ほどかけて発酵させます。製造過程に要する
 エネルギーが極めて少なく、室内温湿度を一定に保つことができる自然素材が出来上がるのです。


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