敷地・地盤調査 

敷地を有効に活用するために、立地や道路状況、法的規則などの面から調査を行います。
また、地盤の不同沈下に起因する建物の損害を補償するため地盤調査を実施します。

 地鎮祭 

残暑厳もようやく終わりを告げ、地鎮祭を行いました。地鎮祭とは工事の無事安全を願い、その土地の神(氏神)に土地利用の許しを祈ります。斎場の中には、木の台を並べ、中央に神籬(ひもりぎ)を立て、祭壇とします。酒、水、米、塩、野菜や果物、魚、和菓子などを供えます。

 基礎工事・現場周辺 

周辺の環境
敷地周辺の環境
敷地環境は一般車道から離れた場所です。田畑が多く田園風景の美しい所ですが、近年は立地条件の良さから宅地開発が進んできました。敷地面積が広く、南面にはゆったりした空地があります。敷地内部では、基礎職人がベタ基礎打設に向け、配筋工事を行っています。 

  @堀の型枠控
  A堀の型枠
  B基礎工事用材
  C基礎の型枠
  D水盛遣方の貫(水質)
  E水盛遣方の杭(水杭)
  F転圧重機
  G一輪車

 基礎工事・配筋(基礎配筋)  

阪神淡路の震災後、耐震性を重視したベタ基礎が 多くなりました。
現場基礎も、床部部厚み150oに異形鉄筋・直径9oと13oを組み合わせています。
間隔は200o、木造としては強度的にしっかりしています。結束した床部横筋と間仕切部の縦筋は数メートル間隔で地中に打ち込んでいきます。

 基礎工事・配筋(配筋部の仕様) 

正方形のコンクリートの点在をスペーサーといいます。
鉄筋と地盤の間隔をとり、コンクリートのカブリを完全なものにする役目をもち、交差した鉄筋は、結束線(径1o 長さ450o二つ折り)によって締め付けています。

名称は下記のようになっています。
  @縦筋:径9o(地中に打ち込み)
  A横筋:13o
  Bスペサー:モルタル60o(縦・横・高)
  C横筋径:9o

 基礎工事・打設  

基礎工事はミキサーカーとクレーンの動力を中心に進行します。
布基礎であれば、フーチングに当たる床部は、朝からの開始なら3時間ほどで完了します。
地盤との間隔を維持して、理想の状態で基礎が出来上がり定規でコンクリートを均す作業工程です。細長い木を、両手で水平に持ち、軽く上下すると高低が滑らかな面に仕上がりました。

 基礎工事・墨出  ■

地盤面にコンクリート工事が完了すると、表面に建築物の位置を描きます。
工事名称は墨打といいます。写真右は、棟梁が建築物の角度(直角)を求めているところです。
上が北、左が西になります。棟梁はピタゴラスの定理によって建築物位置の基準を導きます。
これは、直角三角形を基準にした幾何学を用いているのです。そうした構法に深い知識をもっていることが、
大工棟梁の腕前でもあるのです。

  基礎工事・立上型枠 

型枠の取付け位置の決定(墨出)と共に、基礎職人は次の工程に取り掛かります。
型枠の寸法は一間×半間(約1800o×900o)の木製です。型枠の表面が黒いのは、オイルを塗布しているためです。これはコンクリートが表面に付着しないための基礎で、表面の美観に効果があります。近年、基礎構法は大きく変わってきました。
地震に対して、建物が倒壊するかどうか、または住人の命を守れるかどうか、基礎職人の腕前(施工)に大き左右される事は言うまでもありません。
強度の安定を確保するためには、十分な予算確保が求められる場所です。

■  基礎工事・配管準備 

給排水の取り付け作業です。
給排水設備は、建築物内部と外部の接続工事が多く、コンクリート打設に当たり、必要箇所を貫通するスリーブを設置します。
この工程は、読図の確かな知識が求められます。近年、水廻りの設備機器が多くなってきたため、
その数に比例して基礎貫通の場所が増えてきました。設置に当っては、必要最小限の直径であることや、許される範囲の間隔をおいて貫通する事が、強度への悪影響を防止します。

   基礎工事・型枠完了 ■

棟梁がアンカーボルトとホールダウンの位置を求めています。
右上写真に薄らですが、赤いチョーク跡が見えます。
(穴あけ作業は現場合わせとなるため時間を要します)

  基礎工事・型枠撤去 ■

型枠を取り除くと、流し込まれたコンクリート表面が表れます。
その表面のあり方によって、強度の度合を判断することができます。型枠と周辺の大量素材は、撤去する作業を十分配慮して組立られています。解体作業は逆工程によって進んでいき、中でも釘は、安全面からも念入りに抜き取ります。それぞれの素材は、表面に付着したセメントを除去して、次の工事に備えられていきます。素材の一つひとつが、繰り返し大切に使用されることによって、基礎の工事単価:低減に役立ちます。

  基礎工事・天端 

基礎天端・モルタル仕上げ
土台が直接取り付く基礎の天端は、水平であることが重要です。水平精度が高いほど、建前後の造作工程が順調に進行します。
@レベル据付と視準
A定規の高さを墨付け
B基礎側面に墨打(水墨)
Cモルタル天端の定規を水平に取付け
レベルが三脚を足で分込む。移動しないよう固定し、30o×9oの定規に基準となる高さを記します。モルタル基礎天より、100o程度下部を基礎側面に墨付けしていきます。この高さを墨打ちした横の線が、墨水(水平基準)となります。この水準測量は、建築物の安定を確保するために、高い精度が求められます。
 
中脇修身先生の建築現場記録より抜粋しました。

PAGE TOP